支援の現場を知ることで生まれる繋がり。国際開発救援財団(FIDR)が語る「無理のない国際協力」とは

グローバルフェスタJAPAN 2026のFIDRのブース。青いジャケットのスタッフ3人が活動パネルの前に並ぶ

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世界中から日々多くのニュースが届く現代。遠く離れた国の出来事を自分事として捉え、支援の手を差し伸べることは、決して簡単なことではありません。

2026年10月17日、18日に開催された「グローバルフェスタJAPAN 2026」の会場で、NGOネットワークジャパン編集部は、公益財団法人 国際開発救援財団(FIDR)のブースを取材しました。カンボジアやベトナム、ネパールなどで活動する同財団の業務部・那須野幸子さんに、現地での取り組みや、日本の支援者と現場をつなぐ活動のやりがい、そして私たちが今日から始められる国際協力についてお話を伺いました。

都市と農村の格差、そして貧困という課題

公益財団法人 国際開発救援財団(以下、FIDR)は、主に「国際協力援助事業」「緊急援助事業」「広報啓発事業」の3つの柱で活動を行っている団体です。現在、カンボジア、ベトナム、ネパールの3カ国に加え、日本国内でも事業を展開しています。

現地で直面している大きな社会課題について、那須野さんは次のように語ります。

「課題はさまざまありますが、その一つは、都市と農村の格差、そして農村部の貧困です。これは共通する課題だと思います」

経済成長が進む国々であっても、その恩恵は都市部に集中しがちです。取り残された農村部では、依然として貧困やインフラの未整備、教育・医療へのアクセス不足といった深刻な格差が存在しています。FIDRはそうした厳しい環境にある人々に寄り添い、状況の改善に向けた支援を続けています。

支援者と現地が直接つながる喜び

日本の事務局で業務部に所属する那須野さんは、現地での活動を直接担当しているわけではありません。しかし、日本の支援者と現地の活動をつなぐ重要な役割を担っています。最近の活動で特に嬉しかった成果として、今年8月末から9月にかけて実施されたカンボジア視察を挙げました。

この視察には、FIDRの活動を日頃から支えている日本の賛助会員(主に企業関係者)が参加しました。

「カンボジアの事業地を視察しました。日本の支援者の方と事業地の人たちが話をして触れ合い、お互いを知り合う機会があったことが、まずよかったです。また、カンボジアに初めて行く、カンボジアのことをよく知らなかった日本の方が、カンボジアのいいところを知って、ファンになってくださいました。さらに、私たちの活動や事業がきちんと行われていて、支援者の皆さまからいただいている会費やご寄付が確かに役立てられていることをわかっていただけたのは、大変うれしいことでした」

寄付や会費が、海の向こうで具体的にどのような変化を生み出しているのか。支援者が現地の空気に触れ、人々と直接交流することで、単なる「資金援助」を超えた深い繋がりが生まれます。支援が正しく届いていることを理解してもらえる瞬間は、事務局スタッフにとっても大きな喜びとなっています。

情報過多な日本で、関心を持ち続けてもらう難しさ

一方で、日本国内で国際協力の輪を広げていく上での難しさもあります。

「日本でこれだけさまざまなニュースが流れている中で、私たちの事業地の課題を理解してご支援いただくのは、とても大変なことです。日本の皆さまもそれぞれ生活が大変な中で、海外の人々を思って支援してくださることを、大変ありがたく思っています」

日々膨大な情報が消費され、国内でも経済的な不安を抱える人が少なくない今の日本。その中で、遠く離れた途上国の課題に関心を持ち、さらに支援という行動を起こしてもらうことは容易ではありません。だからこそ、そうした状況下でも支援を続けてくれる日本の人々への深い感謝の念が、那須野さんの言葉からは滲み出ていました。

私たちにできる「無理のない」支援の形

では、国際協力に関心を持った日本の私たちには、具体的に何ができるのでしょうか。那須野さんは、行動を起こす前の「知る」ステップの重要性を強調します。

「まずは、さまざまな情報に目を向けて、この世界でどんなことが起きているのか、虐げられている人がいるのか、それはなぜなのか、自分たちの生活とどのような関係があるのかを、知って、考えてほしいです。そのうえで、自分のできる範囲、無理のない範囲で、活動に参加したり、寄付をしたりと、何か一歩を踏み出していただきたいと思います」

いきなり大きな寄付をしたり、現地に赴いたりする必要はありません。世界で起きている出来事の背景を知り、自分とのつながりを想像すること。そして、日々の生活の中で無理なくできるアクションを選ぶこと。その小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな力へと変わっていきます。

今後の展望と、現場の声を聞く機会

FIDRでは今後も、国内の支援者が主催する報告会への参加や、ベトナムの少数民族の商品の紹介・販売などを通じて、活動を広く伝えていく予定です。

直近では、2026年11月4日にネパールの事業に関する報告会が予定されています。

「ネパールで5年間、事業を担当してきた所長が日本に戻ってきています。そのネパールの活動内容と成果を報告する報告会がありますので、多くの方に関心を持ってご参加いただきたいと願っています」

この報告会は対面とオンラインの両方で開催されるとのこと。現場で5年間にわたり奮闘してきた所長の生の声を聞ける貴重な機会です。

「世界を知り、考える」ための第一歩として、まずはこうしたイベントに参加してみてはいかがでしょうか。そこから、あなたにできる「無理のない国際協力」の形が見えてくるはずです。

FIDR活動報告会のチラシ「出稼ぎに頼る村から、自分たちで未来をつくる村へ」(11月4日19時・お茶の水とZoom)
FIDR活動報告会のチラシ(FIDR提供)

イベント紹介:FIDR活動報告会「出稼ぎに頼る村から、自分たちで未来をつくる村へ」

日時:2026年11月4日(水)19:00〜20:30(開場18:45)/会場:お茶の水・クリスチャンセンター4階 411号室、またはオンライン(Zoom)/定員:対面50名程度・オンライン85名(要申込・先着順、11月2日10時締切)

ネパール山岳地での4年半の地域総合開発について、現場を率いた前ネパール事務所長がお話しします。ブースで那須野さんが紹介していた報告会が、まさにこのイベントです。

イベント紹介の記事を読む →

団体紹介:公益財団法人 国際開発救援財団(FIDR)

FIDRの活動の概要は、団体紹介の記事でご覧いただけます。

FIDRの団体紹介(NGO紹介)を読む → / 公式サイト:https://www.fidr.or.jp/

取材情報
取材:NGOネットワークジャパン編集部/取材イベント:グローバルフェスタJAPAN 2026(ブース番号48)/取材日:2026年10月17日・18日

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