東南アジアに位置し、7,000以上の島々からなるフィリピン。日本と同じように台風や地震が多いこの国で、地域の人々の「やりたい」という思いに寄り添い、自立に向けた活動をサポートしている団体があります。特定非営利活動法人ハロハロ(NPO HALOHALO)です。
気候変動によって自然災害の規模がかつてないほど巨大化する中、現地のコミュニティはどのような課題に直面し、どう乗り越えようとしているのでしょうか。2026年10月17日〜18日に開催された「グローバルフェスタJAPAN 2026」の会場で、NPO法人ハロハロ事務局の成瀬悠さんにお話を伺いました。
地域の人々の「やりたい」を叶える伴走者
NPO法人ハロハロは、フィリピンのセブ、マニラ、ボホールの3つの地域を中心に活動を展開しています。その活動の軸にあるのは、一方的な支援ではなく、現地の人々の主体性を尊重する姿勢です。
「フィリピンと日本で、地域の人たちが『やりたい』と言い始めたことを叶えていく活動を行っています」
成瀬さんはこう語ります。住民自身が地域の課題に気づき、解決に向けて動き出す。ハロハロは、その一歩を後押しし、実現へと導く伴走者としての役割を担っています。
気候変動がもたらす過酷な現実
現在、フィリピンの現場で深刻な問題となっているのが、気候変動による自然災害の激甚化です。特に台風による被害は、現地の人々の生活を根底から脅かしています。成瀬さんは、最近の大きな課題として2025年11月に発生した台風を挙げました。
「2025年11月に、台風ティノという非常に大きな台風が来て、村ごと、500世帯が流されてしまいました。これが大きな出来事でした」
気候変動の影響で災害の規模が変わり、村が丸ごと流されてしまうという過酷な現実。災害復興のフェーズにおいて、現地コミュニティの再建は急務となっています。
困難を越えて広がる「自立」の輪
日本とフィリピン、そして現地フィリピン国内の異なる地域。距離が離れているからこそ生じる苦労もあります。
「日々の連携です。国を越えて、日本国内に限らず、人と連絡を取り合い、しっかり情報を得ていくことが大切なのですが、なかなかタイムリーに情報交換ができなかったり、正しい情報とのすれ違いが起きてしまったりすることが気がかりです」
言葉や文化の違い、通信環境の壁を乗り越え、正確なコミュニケーションを取り続けることは、国際協力の現場における永遠の課題とも言えます。しかし、そうした困難な日々の中で、大きな喜びとなる出来事もありました。現地の人々が立ち上げた市民活動が、形となって実を結んだのです。
「現地の人が始めた市民活動が、セブでもボホールでもNGOとして登記でき、協力団体が増えていることが、とてもうれしいです」
支援を受ける側だった現地の人々が、自ら組織を立ち上げ、正式なNGOとして国に認められる。これは、彼らが確かな「自立」への道を歩み始めた証であり、ハロハロの伴走支援が大きな成果を生んだ瞬間だと言えるでしょう。
私たちにできること:SNSの「いいね」と「リサイクル募金」
遠く離れたフィリピンの出来事に対し、日本の私たちには何ができるのでしょうか。成瀬さんは、日常の中で簡単にできるアクションを教えてくれました。
「SNSをフォローして『いいね』を押していただくだけでも、とてもうれしいです。まずは関心を持っていただけますし、SNSをご覧になって『フィリピンでそんなことが起きているんだ』『そんな取り組みもあるんだ』と思っていただけるだけで、私たちはとてもうれしく思います」
さらに、NPO法人ハロハロでは、日本国内から気軽に参加できる支援の仕組みも用意しています。それが「リサイクル募金」です。
「日本の皆さまからのご協力は、本当に助かります。『リサイクル募金』は日本国内だけで行っていて、5点以上あれば、宅配業者が送料無料でご自宅まで引き取りに伺います。売却したお金を私たちは活動費にしていますので、ご協力いただけると、とてもうれしいです」
ブースで配られていたチラシによると、「リサイクル募金」は、読み終えた本やDVD、金券類、貴金属、ブランド品、ホビー用品などを提供すると、その査定・換金額がハロハロに寄付される仕組みです。申込の受付から査定、報告、送金までは「リサイクル募金きしゃぽん」(運営:嵯峨野株式会社)が担当します。流れは次の3ステップです。
① 梱包・申込(5点から送料無料。宅配業者が伝票を持って引き取りに来ます)
② 査定・換金
③ 寄付(お名前を添えて、ハロハロに寄付されます)
リサイクル募金への参加1回につき、きしゃぽんからも100円が寄付されるといいます。寄付は、フィリピンの人々が自らの力で生活を豊かにする手工芸や少額資金融資、教育、環境の取り組みに役立てられます。

申込は、24時間受け付けているウェブページから行えます。「ハロハロ リサイクル募金」で検索するか、リサイクル募金きしゃぽん「ハロハロ」のページをご覧ください。
気候変動という地球規模の課題に対し、フィリピンの人々は自らの足で立ち上がり始めています。私たちも、SNSでのシェアや、読み終えた本のリサイクルを通じて、その力強い歩みを日本から応援してみてはいかがでしょうか。
団体紹介:特定非営利活動法人ハロハロ(NPO HALOHALO)
ハロハロの活動の概要は、団体紹介の記事でご覧いただけます。
取材情報
取材:NGOネットワークジャパン編集部/取材イベント:グローバルフェスタJAPAN 2026(ブース番号18)/取材日:2026年10月17日・18日
