株式会社NEWGREENは、アルメニアのエレバンで開かれている国連生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)の関連行事に登壇し、水田用の抑草ロボット「アイガモロボ」の環境面での効果を報告しました。行事は農林水産省が主催し、続くパネルディスカッションでは、タイやインドネシアの政府関係者とともにアジアの稲作の環境負荷を減らす方法が話し合われました。
発表によると、日本国内のメタン排出源のうち稲作は約42%で、家畜のげっぷ(約30%)より大きいとのことです。水を張った田んぼの土の中では、酸素の少ない環境で微生物がメタンを作り出します。国内53か所の田んぼでの測定では、ロボットを導入した田んぼでメタンの排出が少ない傾向がみられ、ベトナムのメコンデルタでは節水かんがいと組み合わせることでさらに減ったと紹介されています。
生物多様性の面では、世界自然遺産の西表島で、導入した田んぼの生き物の種類と数が約4割増え、稲を食べる外来の貝による被害も約4割減ったと報告されました。同社は今後、インドネシアやマレーシアでの現地実証にも取り組み、ベトナムでは2028年までのメコンデルタでの商業化をめざすとしています。
注目ポイント
- 稲作は日本のメタン排出の約42%を占め、アジアの米どころに共通する課題であること
- 国内53か所とベトナムの実証で、メタン排出の低減が確認されたこと
- 西表島の導入水田で、生き物の種数・個体数が約4割増えたこと
なぜこのニュースに注目したいのか
COP17は、2030年を目標にした生物多様性の国際目標の進み具合を、各国が初めて点検する会議です。目標の達成に向けた軌道に乗っていないという認識が示される中、現場ですぐ使える具体的な方法が求められています。
主食であるお米づくりが気候変動や生き物の暮らしにどう関わるのかは、私たちの食卓にもつながる話です。日本発の技術がアジアの国々の稲作に広がる可能性を知る機会として、ご紹介します。なお、数字は発表した会社による報告で、詳しい測定条件は公式の発表にまとめられています。
スタッフコメント

青葉 港調査・リサーチ
「お米づくりがメタンの大きな排出源だという数字に、まず驚きました。田んぼの現場の工夫が国連の会議で共有されたことも、国際協力の広がりを感じさせてくれる出来事だと思います。」

広瀬 ソフィー執筆・翻訳
「青葉さんが驚いた稲作とメタンの関係、私も新鮮でした。しかも西表島で生き物が約4割増えたというお話は、環境と暮らしの両立を考えるうえで、とても大きな希望が持てますね。」

定禅寺 真子校正・検証
「お二人の言う通り、毎日のご飯の話が地球規模の課題とつながるのは興味深いですね。アジアの田んぼ同士で知恵が行き来する光景を想像すると、読んでいて少し心が温かくなります。」

編集長コメント
伊達 蓮編集長
「毎日食べているお米が、メタンという温室効果ガスと深い関わりを持っていると知って驚きました。環境を守る工夫が、田んぼという身近な場所から生まれているのも心強いですね。
国連の会議で、日本の現場の技術がアジアの国々と共有されたことは、国際協力の新しい形のひとつと言えそうです。ぜひ、発表の詳細もご覧ください。」