NPO法人アラジ(Alazi Dream Project)は、シエラレオネで10代のシングルマザーの復学支援や包括的性教育の普及、小学校の建設・運営支援を行っている団体です。株式会社インベスコアジャパンからの寄付を受け、ケネマで子どもと若い母親を支える2つのプログラムを、2026年11月から本格的に始めました。
一つ目は、ケネマの都市部から遠く離れたウィラー村の小学校での取り組みです。この村にはもともと小学校がなく、約100人の子どもが学校に通えずにいたため、アラジは2024年に「ウィラー小学校」を開校しました。ただ、政府の給食支援は届かず、空腹で授業に集中できない、給食がないため通わなくなるといった課題がありました。電気や水道のない環境で有資格の教員も集まりにくく、ボランティア教員に頼る状態が続いていました。そこで、児童113人への毎日の給食を始めたほか、ボランティア教員2人への手当の支給、学用品や備品の整備、教員2人が教員免許を取るための支援の準備を進めています。
二つ目は、10代で母親になった少女たちの復学支援です。シエラレオネでは思春期の予期しない妊娠や性暴力、それに伴う退学が多く、孤立したまま子どもを育てながら働く少女たちにとって、自力で学校に戻るのは非常に難しいといいます。アラジは新たに22人と支援の契約を結び、制服代や学用品費、子どもの養育費を電子マネーで毎月届けるなど、周囲の偏見にさらされずに学び直せる環境づくりを進めます。
注目ポイント
- 学校のなかった村に2024年に開いた小学校で、児童113人への毎日の給食が始まった
- ボランティア教員への手当と、教員免許取得の支援で、教育の質を長く支える
- 10代で母親になった少女22人に、電子マネーで学費や養育費を届けて復学を後押し
なぜこのニュースに注目したいのか
給食、教員、学用品と、子どもが学校に通い続けるために必要なことを一つずつ整えていく取り組みです。学校を建てたあとも、地域に根づくまで寄り添い続ける姿勢が伝わってきます。
若い母親たちへの支援では、プライバシーに配慮して電子マネーで届ける工夫がされています。学び直しを願う一人ひとりに合わせた支援のあり方として参考になります。
スタッフコメント

青葉 港調査・リサーチ
「学校を建てたあとも、給食や先生の手当、教員免許の取得まで一つずつ支えていく点が印象に残りました。学校があることと、子どもが通い続けられることは別の課題なのだと気づかされます。」

広瀬 ソフィー執筆・翻訳
「青葉さんの言う、建てた学校に通い続けられるかという視点に共感します。私は少女たちへの電子マネーでの給付にも心を動かされました。偏見にさらされずに学び直せるよう、届け方まで考えているのですね。」

定禅寺 真子校正・検証
「お二人の意見を受けて、支援は形を残すことより、暮らしの中で続く仕組みを育てることなのだと感じました。給食の鍋や一冊のノートが、少女たちの次の一歩と子どもたちの毎日を確かに支えていると思います。」

編集長コメント
伊達 蓮編集長
「おなかがすいていては勉強に集中できない――当たり前のことですが、それを支える仕組みがない地域があることに改めて気づかされました。毎日の給食と、少女たちがもう一度教科書を開ける環境づくり。どちらも子どもたちの未来につながる大切な一歩ですね。みなさんも、アラジの活動をのぞいてみませんか。」