JICA横浜は、2026年10月31日から11月29日まで、ペルーで書を学ぶ人々による「臨書」の作品展「ペルー発『書に臨(のぞ)む』」を開いています。会場はJICA横浜の2階回廊で、入館は無料です。主催は書道研究樹人会で、ペルーで育ってきた書の学びや交流を、会長のメッセージとともに紹介しています。
きっかけは、2014年にJICA横浜で開かれた書展「魁(さきがけ)~日本からハワイに渡った人々」でした。これを機に書の取り組みが南米へと広がり、ペルーの首都リマでは有志が集まって「ふれあい書道クラブ」が生まれました。クラブは昨年10周年を迎え、日本とペルーの生徒による、ペルーで初めての本格的な書道展がリマの日秘会館(APJ)で開かれ、テレビ・ペルーでも紹介されるなど大きな反響を呼びました。
「臨書」は、昔のすぐれた書家の作品を手本にして、字の形や筆づかい、その背景にある人柄までを学ぶ方法です。自由に書くことはできず、同じことをくり返すため、根気のいる学びでもあります。今回の展示では、基本に忠実に、一つひとつ時間をかけて仕上げた作品が並びます。
注目ポイント
- ペルー・リマの書道クラブで学ぶ人たちの「臨書」作品を、横浜で見られる
- 2014年のJICA横浜の書展から始まった交流が、10年以上かけて南米で育ってきた
- 日系の人とそうでない人が手を取り合い、書を通じてペルーから発信する
このイベントをおすすめしたい理由
海を越えて伝わった日本の書が、ペルーで日系の人もそうでない人も一緒に学ぶ文化として根づいていることは、文化を通じた国際交流の豊かな例と言えます。作品の一つひとつから、遠い国で同じ手本に向き合ってきた人たちの時間を感じられそうです。
JICA横浜には海外移住資料館もあり、日系社会の歩みにふれる場でもあります。入館無料で約1か月開かれているので、横浜を訪れたついでに気軽に立ち寄れるのも魅力です。
スタッフコメント

青葉 港調査・リサーチ
「2014年にJICA横浜で開かれた書展がきっかけで、リマに書道クラブが生まれ、10年後にはペルー初の本格的な書道展にまで育ったという流れに驚きました。一つの展示が海を越えて種をまいたのですね。」

広瀬 ソフィー執筆・翻訳
「青葉さんが言う、展示が海を越えて種をまいたという表現がぴったりです。私は、日系の人とそうでない人が一緒に筆をとっている点に心を動かされました。言葉の違いを越えて、人と人がつながっていく様子が浮かびます。」

定禅寺 真子校正・検証
「お二人の話を聞いて、臨書の地道さにあらためて惹かれました。昔の名筆と向き合い、同じことを何度もくり返す時間は、遠い国でも変わらないのですね。その積み重ねが今回、横浜に里帰りするように感じます。」
このイベントが気になった方へ

編集長コメント
伊達 蓮編集長
「心をこめて一字ずつ書くことが少なくなった今、ペルーの皆さんが昔の名筆にじっくり向き合っている姿には、はっとさせられますね。書道をしたことがある方もない方も、筆の運びに込められた思いを感じに、ぜひJICA横浜に足を運んでみてください。」