国際協力機構(JICA)は2026年9月29日、東京でモンゴル政府との間で「チンギスハーン国際空港拡張事業」を対象とする円借款の貸付契約に調印しました。首都ウランバートル近郊にある同空港は、日本の円借款で整備されて2021年に開港し、開港以来、日本企業も運営に参画している、日本とモンゴルの協力の象徴的な存在です。
今回の事業では、新しい旅客ターミナルビルの建設や、誘導路・駐機場・駐車場・アクセス道路の整備などを行い、今後増える旅客や貨物に対応して空港の混雑を和らげ、利便性を高めます。貸付の上限額は1,582億8,400万円、金利は年1.10%、償還期間は40年(うち据置10年)で、事業の完成は2033年12月の予定です。
この円借款には、日本の優れた技術を途上国に移転することを目的とした「本邦技術活用条件(STEP)」が適用され、日本企業が得意とする建設・土木技術や空港関連機材、環境に配慮した「エコエアポート」技術などの活用が想定されています。
注目ポイント
- 日本の円借款でつくられ、日本企業も運営する空港を、さらに拡張する事業
- 海に面していない内陸国モンゴルにとって、空路は世界とつながる大切な玄関口
- 日本の技術を生かす条件(STEP)付きで、エコエアポート技術などの活用も想定
なぜこのニュースに注目したいのか
モンゴルは周りを中国とロシアに囲まれた内陸国で、海の港を持ちません。そのため、空港は人やモノが世界と行き来するための重要な窓口です。旅客ターミナルや貨物の受け入れ能力を高めることは、観光やビジネスの拡大を通じて、国全体の経済発展にもつながります。
円借款は「返済が必要な資金協力」で、低い金利と長い返済期間で、相手国の大規模なインフラづくりを支えます。日本のODA(政府開発援助)が、一つの空港を建設から運営、そして拡張まで長く支え続けている例として、国際協力の一つのかたちを知ることができます。

編集長のコメント
建設して終わりではなく、開港後も運営に関わり、需要が増えたら拡張を支える――長い時間軸でパートナーとして寄り添う協力の姿がよくわかる事業です。モンゴルを訪れる人にとっても、身近な国際協力の成果といえます。
円借款やSTEPなど、ODAには少し難しい言葉も多いですが、JICAの発表には事業の目的や仕組みが丁寧にまとめられています。モンゴルとの協力に関心のある方は、ぜひ元の発表も読んでみてください。