独立行政法人国際協力機構(JICA)は2026年10月23日、市ヶ谷本部の「国際協力の碑」の前で、2026年度の慰霊式を開きました。この式は、JICAの事業に携わる中で命を落としたすべての方々を悼むとともに、国際協力に関わる人の命と安全を最優先にして開発協力を行うことを改めて心に刻むため、毎年行われています。
今年はJICAの理事長をはじめとする役職員のほか、公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)と一般社団法人協力隊を育てる会の代表者、さらに派遣中に亡くなったJICA海外協力隊員のご遺族も参列しました。理事長は式辞で、重なり合う危機を乗り越え、人間の安全保障を守り、日本の繁栄と平和を支えるうえで開発協力は欠かせないとしたうえで、その実施では関係者の命と安全を守ることが第一だと述べました。あわせて、一人ひとりが安全のための具体的な行動をとること、過去の重大な出来事を組織の記憶として引き継ぎ、同じような痛ましい事態を二度と起こさない決意を強調しました。
日本の政府開発援助(ODA)は今年で72周年、JICA海外協力隊は発足から61周年を迎えています。式の会場となった「国際協力の碑」は、亡くなった関係者の功績を心に刻み、その思いを引き継ごうとJICA関係者の有志が建立を呼びかけたもので、国内外の1,900名近い関係者と多くの団体からの募金・協力により1993年に建てられました。碑には「共により良い未来をめざして」という言葉が刻まれています。
注目ポイント
- JICAの事業に関わって亡くなった方々を悼む慰霊式を、毎年「国際協力の碑」の前で行っている
- 理事長は式辞で、開発協力の実施では関係者の命と安全を守ることが最優先だと述べた
- 「国際協力の碑」は、1,900名近い関係者の募金などにより1993年に建てられた
なぜこのニュースに注目したいのか
国際協力の現場は、遠く離れた土地で、ときに危険と隣り合わせの中で支えられています。ODA72年、海外協力隊61年という長い歩みの裏には、その途中で命を落とした方々がいることを、この式は静かに伝えています。
過去の出来事を組織の記憶として受け継ぎ、安全を最優先にするという姿勢は、JICAだけでなく、海外で活動するNGOやボランティアにとっても大切な考え方として参考になります。
スタッフコメント

青葉 港調査・リサーチ
「ODAが72周年、海外協力隊が61周年という長い歩みの中で、志半ばで亡くなった方々がいることを改めて知りました。ご遺族も参列されたと聞き、毎年この式を続ける意味の重さを感じます。」

広瀬 ソフィー執筆・翻訳
「青葉さんの言う、長い歩みの陰にいる方々の存在に私も胸を打たれました。過去の出来事を組織の記憶として受け継ぐという言葉には、同じ悲しみを繰り返さないという強い願いが込められていると思います。」

定禅寺 真子校正・検証
「お二人の思いに私も深くうなずきました。碑が1,900名近い人たちの募金で建てられたことに、亡くなった方を忘れまいとする仲間の気持ちを感じます。安全を第一にする姿勢こそが、その思いに応える道なのでしょうね。」

編集長コメント
伊達 蓮編集長
「国際協力のニュースでは、新しい事業や成果に目が向きがちですが、その歩みを支えてきた方々の中には、志半ばで亡くなった方もいます。碑に刻まれた「共により良い未来をめざして」という言葉を胸に、現場で働く人たちの安全と、その思いを受け継ぐことの意味を、少しだけ考えてみませんか。」