国連環境計画(UNEP)は2026年9月2日、新しい報告書「オーバーシュートを抑制する:1.5℃超過への対応と、そこから戻るための道筋」(仮訳)を発表しました。WWFジャパンは、その内容の一部をわかりやすく紹介しています。
解説によると、世界の平均気温は産業革命前と比べてすでに約1.4度上昇しており、数年以内にパリ協定の目標である1.5度を超えることはほぼ避けられない状況です。各国の約束がすべて守られる最も楽観的なシナリオでも、上昇は1.8度に達すると予測されています。2024年には、単年で初めて1.5度を超えました。
一方で、自然の力や技術を使って大気中の二酸化炭素を取り除けば、一度上がった気温を下げることは不可能ではありません。このように、1.5度を一時的に超えた後、再び1.5度以下に戻る道筋を「オーバーシュート」と呼びます。報告書は、超過を最小限に抑えるための対策や、1.5度を超えた世界でのリスクと適応策をまとめています。WWFジャパンは、1.5度を超えても「ゲームオーバー」ではないこと、そして最優先は今すぐ排出を減らすことであり、1.5度目標は揺るがないことを強調しています。
注目ポイント
- 気温上昇はすでに約1.4度。1.5度を数年以内に超えることはほぼ避けられない
- 一度超えても、CO2の除去などで再び1.5度以下に戻す道筋が「オーバーシュート」
- それでも最優先は「今すぐの排出削減」。1.5度目標そのものは変わらない
なぜこのニュースに注目したいのか
気候変動の影響を最も強く受けるのは、干ばつや洪水、海面上昇などに備える余裕の少ない途上国の人々です。気温が1.5度を超えるかどうかは、農業や水、健康、災害への備えなど、国際協力の現場の多くの活動に直結します。
「1.5度を超えたらもう手遅れ」と考えるのでも、「超えても戻せるから大丈夫」と考えるのでもなく、超過をできるだけ小さく短くするために今何をすべきかを示している点で、この報告書は重要です。

編集長のコメント
「1.5度を超えることはほぼ避けられない」という事実は重く受け止める必要がありますが、そこであきらめずに「戻ってくる道筋」を描こうとしているのがこの報告書のポイントだと感じました。WWFジャパンの解説は、専門的な内容を一つずつ丁寧に説明していて、とても読みやすいです。
気候変動と国際協力のつながりを考えるうえで、基本を押さえるのにぴったりの記事です。学校の授業や勉強会の資料としても、ぜひ全文を読んでみてください。