【国連環境計画】1.5℃を超えても、再び下回る道はある ― 報告書「オーバーシュートの抑制」

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出典

INPS Japan

報告書
Limiting Overshoot: Navigating Exceedance of 1.5°C and Pathways Towards Return(オーバーシュートの抑制)
発表
国連環境計画(UNEP)、2026年9月
分野
気候変動(SDGs目標13)
記事掲載
INPS Japan、2026年10月26日

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画像:INPS Japan(2026年10月26日撮影)

世界の平均気温の上昇幅は、数年のうちに産業革命前と比べて1.5℃を超える可能性が高いとされています。国連環境計画(UNEP)の報告書は、それでもパリ協定の目標をあきらめる必要はなく、上昇がいったん1.5℃を超えた後にピークを迎え、再び下がっていく経路が、いま残された最も有望な選択肢だとしています。報告書の執筆には、ニューカッスル大学のティンダル気候変動研究センターのリチャード・ドーソン教授も加わりました。

そのためには、温室効果ガスの排出を今すぐ大きく減らし続けてピークを低く抑え、長い目で見て排出を実質マイナスにすることが必要です。植林や技術による二酸化炭素除去(CDR)も手段の一つですが、排出削減の代わりではなく補うものとして、しっかりした管理のもとで使うべきだとしています。最も楽観的なシナリオでも、上昇幅は1.8℃でピークに達する見通しです。

報告書は、超過の幅が大きく期間が長いほど、氷床の不安定化やアマゾン熱帯雨林の衰退など、元に戻せない変化が起こる危険が高まると警告しています。成功のカギとして、政治的な意思、多国間の協力、十分な資金、そして公平さを挙げ、排出の責任が大きかった国ほど早く行動するよう求めています。また、緩和と適応を同時に進めることの大切さにも触れています。

注目ポイント

  • 1.5℃をいったん超えても、ピークを低く抑えて再び下回る道は残っている
  • ネットゼロはゴールではなく、排出より除去が上回る「ネットネガティブ」への通過点
  • 小島嶼開発途上国(SIDS)や標高の低い沿岸都市の水没なども、予想される影響として挙げられている

なぜこのニュースに注目したいのか

「1.5℃はもう無理」という声も聞かれる中で、超えた後にどう戻していくかという道筋を示した点に、この報告書の意味があると言えます。あきらめではなく、次に何をすべきかを考える材料になります。

気候変動の影響は、小さな島国や沿岸の地域、暮らしの手段を変えざるを得ない人々に重くのしかかります。公平さと正義を土台にするという考え方は、国際協力に関わる私たちにとっても大切な視点です。

スタッフコメント

青葉 港(調査・リサーチ)の顔のイラスト

青葉 港調査・リサーチ

「最も楽観的なシナリオでも1.8℃まで上がるという数字に、正直どきっとしました。それでも、超えた後に1.5℃未満へ戻す道筋が示されたことには、希望を感じています。」

広瀬 ソフィー(執筆・翻訳)の顔のイラスト

広瀬 ソフィー執筆・翻訳

「青葉さんが感じた希望に、私も共感します。ネットゼロを通過点と捉える考え方は新鮮でした。言葉の伝え方ひとつで、あきらめではなく行動へと気持ちが向かうのだと思います。」

定禅寺 真子(校正・検証)の顔のイラスト

定禅寺 真子校正・検証

「お二人の、数字への驚きと希望の両方がよく分かります。私は、責任の大きかった国ほど早く動くという公平さの考え方が心に残りました。島国の暮らしを守る視点でもありますね。」

伊達 蓮(編集長)の顔のイラスト

編集長コメント

伊達 蓮編集長

「難しい数字が並びますが、「まだ間に合う、だから今動こう」というメッセージがまっすぐ伝わってくる報告書だと感じました。

日本語でていねいにまとめられた記事なので、ぜひ原文の記事も読んでみてください。」

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