国際協力機構(JICA)は10月21日、タジキスタンの首都ドゥシャンベ市で、同国政府と「ドゥシャンベ市基幹電力系統変電所建設計画」の無償資金協力の贈与契約(G/A)を結びました。署名は、タジキスタンの財務大臣とJICAタジキスタン事務所長の間で行われました。
この事業では、ドゥシャンベ市に220kVの送電用変電所を新しく建て、電気を届ける仕組みを改善することで、首都圏の安定した電力供給につなげます。主な変圧器やガス遮断器、送電線、制御盤、保護リレー、通信装置などの機材を整えるほか、実施設計や工事・調達の監理も行います。供与限度額は32億9,600万円、実施予定期間は詳細設計と入札の期間を含めて41ヵ月です。
同国で検討が進む変電所の無人化に向けて、DX技術を使った条件づくりを検討するパイロット事業という位置づけもあります。また、「中央アジア+日本」対話の首脳共同宣言(東京宣言)が重点分野に掲げる「グリーン・強靱化」の方向性に沿った協力とされています。なお、詳細設計のための贈与契約(4,100万円が限度)は、2025年12月にすでに結ばれています。
注目ポイント
- 首都ドゥシャンベ市に220kVの送電用変電所を新設し、電力の安定供給を支える
- 変電所の無人化に向け、DX技術を活用した条件づくりを検討するパイロット事業でもある
- 供与限度額は32億9,600万円。詳細設計の契約(2025年12月)に続く本体工事の段階
なぜこのニュースに注目したいのか
電気が安定して届くことは、家庭の暮らしはもちろん、病院や学校、仕事の場を支える土台です。首都の電力網を強くするこの事業は、人々の日常を足元から支える協力だと言えます。
設備をつくるだけでなく、無人化に向けたデジタル技術の活用まで見すえている点も特徴です。中央アジアと日本の協力が、これからどのように広がっていくのかを知る手がかりにもなります。
スタッフコメント

青葉 港調査・リサーチ
「新しい変電所が、無人化に向けたDX技術のパイロット事業も兼ねているという点に目が留まりました。設備を建てるだけでなく、その先の運営の形まで考えているところが興味深いです。」

広瀬 ソフィー執筆・翻訳
「青葉さんの言う運営の形まで考える姿勢、私も大切だと思います。首都に電気が安定して届けば、病院や学校の明かりも途切れにくくなるはずで、暮らしの安心に直結する協力ですね。」

定禅寺 真子校正・検証
「お二人のお話を聞いて、電気は目に見えにくいけれど、毎日の土台なのだと感じました。中央アジアの国と日本の技術がこうして結びつくことが、遠い国を身近に感じるきっかけになりそうです。」

編集長コメント
伊達 蓮編集長
「変電所というと少し縁遠く感じますが、スイッチを入れれば明かりがつくという当たり前を支える大切な施設ですね。
中央アジアの国々との協力に関心のある方は、ぜひJICAの発表もあわせて読んでみてください。」