国際協力機構(JICA)は10月28日、スリランカの首都圏にあたるコロンボ市で、同国政府との間に「ケラニ川流域における排水機場整備計画」の無償資金協力の贈与契約を結びました。署名は、同国財務・計画・経済開発省の財務次官とJICAスリランカ事務所長の間で交わされました。
コロンボ近郊のケラニ川周辺では、気候変動の影響などで洪水被害が相次いでおり、2025年11月のサイクロン「ディトワ」でも大きな被害が出ました。この事業では排水機場を整えて雨水を排水する力を高め、洪水による被害を減らすことをめざします。
整備の内容は、排水機場や護岸、排水ポンプ設備、監視制御・データ収集システムなどです。あわせて、詳細設計や施工監理、運営・維持管理に関する技術指導も行われます。
注目ポイント
- 供与限度額は21億7,900万円、実施期間は計44ヵ月の予定
- 設備の整備だけでなく、運営・維持管理の技術指導もセットで行われる
- 仙台防災枠組2015-2030に沿った、事前防災への投資として位置づけられている
なぜこのニュースに注目したいのか
気候変動の影響で、洪水など自然災害の被害は世界各地で深刻になっています。起きてから対応するだけでなく、あらかじめ備える「事前防災」への投資は、人びとの命や暮らしを守るうえで大切な考え方です。
この事業は、設備をつくって終わりにせず、運営や維持管理の技術指導まで含まれています。長く使い続けられる仕組みづくりという点でも、参考になる取り組みと言えます。
スタッフコメント

青葉 港調査・リサーチ
「コロンボ近郊で洪水が相次ぎ、2025年11月のサイクロンでも大きな被害が出たそうです。排水機場という身近な設備が、気候変動への備えになるという点が気になりました。」

広瀬 ソフィー執筆・翻訳
「青葉さんが注目した排水機場という身近な設備に、私も惹かれました。設備だけでなく運営や維持管理の技術指導まで含まれていて、長く続く協力の姿勢を感じます。」

定禅寺 真子校正・検証
「お二人のお話を聞いて、起きてから対応するのではなく事前に備える投資の大切さを改めて思いました。遠い国の洪水対策が日本の防災の経験とつながるのは心強いですね。」

編集長コメント
伊達 蓮編集長
「洪水は、住まいや仕事、学校など日々の暮らしを一度に奪ってしまいます。日本の防災の経験が、遠いスリランカの地域の安心につながっていくのは心強いですね。
国際協力のニュースを、ぜひ身近な防災を考えるきっかけにしてみてください。」