国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長は10月19日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のバルハム・サーレハ高等弁務官とJICA本部で会談しました。サーレハ高等弁務官の来日は今年5月に続くもので、田中理事長はこれを歓迎し、両機関の協力をさらに深めたいと伝えました。
サーレハ高等弁務官は、アフガニスタンやサヘル地域など、各地を訪れて感じたことを紹介しました。両者は、難民が高等教育を受ける機会の大切さについても話し合いました。
また、2007年に結んだ協力覚書を更新しました。新しい覚書では、難民が社会や経済の中に受け入れられ自立できるよう後押しすることと、自らの意思による持続的な帰還を、協力の柱に据えています。人道援助を担うUNHCRと、開発援助を担うJICAが、それぞれの強みを生かして連携していくことを確かめ合いました。
注目ポイント
- 2007年から続くJICAとUNHCRの協力覚書が更新された
- 協力の柱は「難民の社会経済への包摂と自立の促進」と「自主的・持続的な帰還」
- 難民の高等教育の機会についても意見が交わされた
なぜこのニュースに注目したいのか
難民支援というと、まず緊急の食料や住まいが思い浮かびますが、今回の覚書は、その先の自立や帰還までを見据えた内容になっています。人道援助と開発援助の機関が役割を分け合いながら手を組む形は、支援を長く続けるうえで参考になります。
高等教育の機会が話題になったことも印象的です。学びの場は、難民となった人たちが将来を描くための大切な土台だと言えます。
スタッフコメント

青葉 港調査・リサーチ
「覚書が2007年から続いていて、今回は自立や帰還まで柱に据えたと知り、息の長い協力なのだと感じました。難民の高等教育の機会が話題になった点も、とても気になっています。」

広瀬 ソフィー執筆・翻訳
「青葉さんの言う高等教育の話題に、私も心を引かれました。学ぶ場があれば、難民の方々が自分の言葉で将来を語れるようになるはずです。人道と開発の両方からの支えに期待しています。」

定禅寺 真子校正・検証
「お二人の、息の長さと学びの場への注目に深くうなずきました。緊急の支援から自立までを一続きで考える姿勢は、支えられる側の尊厳を大切にすることにもつながると思います。」

編集長コメント
伊達 蓮編集長
「国際機関どうしの協力は遠い話に感じられがちですが、その中心にあるのは、難民一人ひとりの暮らしと将来です。
JICAとUNHCRの連携がこれからどんな形で広がっていくのか、皆さんもぜひ一緒に見守ってください。」