WWFインターナショナルは、世界の生物多様性の変化をまとめた『生きている地球レポート2026』を発表しました。WWFが1998年から発行している報告書で、今回が16回目です。生物多様性の豊かさを示す「生きている地球指数」は、1970年から2022年の52年間で平均73%減少したと示されています。
生態系別では、淡水生態系が−85%と最も大きく、陸域生態系が−69%、海洋生態系が−59%でした。最大の要因は生息地の消失と劣化で、乱獲などの過剰利用、気候変動、汚染、侵略的外来種、疾病が続きます。背景には、食料・エネルギー・金融の各システムの構造的な問題があるとしています。
一方で、希望の事例も紹介されています。世界の野生トラは2010年から2025年に70%以上増え、約3,200頭から約5,700頭へ回復しました。アオウミガメ、クロマグロ、アフリカ南部のゾウにも回復の例があり、保全活動が成果を生みうることを示しています。10月19日からアルメニアで開かれる生物多様性条約COP17を前にした発表です。
注目ポイント
- 野生生物の個体群は52年間で平均73%減少。淡水生態系は−85%
- 野生トラは2010〜2025年に約3,200頭から約5,700頭へ回復
- 10月19日開幕のCOP17に向け、社会・経済システムの変革の加速が課題に
なぜこのニュースに注目したいのか
数字の厳しさだけでなく、各国政府や地域コミュニティ、NGOなどの長年の協力が実を結んだ回復事例が示されている点に、私たちが学べるヒントがあります。
WWFジャパンは、自然を守り回復させる活動が評価される社会・経済への転換が必要だとコメントしています。身近な暮らしや選択とつながる話題として、一人ひとりが考えるきっかけになります。

編集長のコメント
73%という数字には驚かされますが、トラの回復のように、協力して行動すれば状況を変えられることも教えてくれる報告書です。
10月のCOP17の議論とあわせて、ぜひ関心を持って見守っていきたいですね。詳しくはWWFジャパンの発表をご覧ください。