毎日、学校が爆撃の対象となり、教育を受ける機会を奪われている子どもたちがいます。2026年10月17日〜18日に開催された「グローバルフェスタJAPAN 2026」にて、NGOネットワークジャパン編集部は公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)を取材しました。
アジア各地で図書館活動を中心とした教育支援や緊急人道支援を行う同団体。政変や貧困といった厳しい現実のなかで、一冊の「絵本」がどのように子どもたちの希望となっているのか、緊急人道支援課で海外緊急人道支援を担当する水木茉里奈さんにお話を伺いました。
紛争と格差。アジアの子どもたちが直面する危機
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、主にアジアで図書館活動を中心とした教育支援や緊急人道支援を行っているNGOです。現在、彼らが活動する地域では、子どもたちの命と未来を脅かす深刻な事態が進行しています。
「ミャンマーやアフガニスタンなど政変が起きて、食料危機に陥ったり、教育が受けられない、あと学校も爆撃の対象になるというような、子どもたちの生活がままならない状況の国だったりですとか、なかなか都市と農村の格差が広がっていて、農村の方では十分な教育が受けられないようなカンボジアやラオス、ネパールなどで活動を行っています」
政情不安による暴力の連鎖や貧困は、子どもたちから学ぶ機会を奪い続けています。
信頼を築き、支援を届ける難しさ
異国の地、それも混乱の中にある地域で活動を展開することは決して容易ではありません。支援を届ける上での最大のハードルについて、水木さんは次のように語ります。
「まずコミュニティとの信頼関係を作って、行政の手続きに則って、行政からの活動許可を得る。そこにまた時間を要したりすることも(あります)」
現地のルールを尊重し、時間をかけて地域社会との関係を築く地道な努力があってこそ、支援は初めて形になります。
指でなぞり、声に出して。絵本がもたらす「明日の希望」
数々の困難を乗り越えて届けられた支援は、子どもたちの姿を通して確かな実を結んでいます。最近の活動で嬉しかった成果を尋ねると、ミャンマー避難民キャンプ周辺でのエピソードを教えてくれました。
「子どもたちが絵本を通して、それを声に出しながら、指でなぞりながら読んでいる姿を目にしたり、それが明日の希望につながっているというような声を聞くと、とてもやりがいを感じます。図書館に親子で利用してくれたりとか、そういう姿も見れると、とてもやりがいですね」
厳しい避難生活の中でも、絵本を開く瞬間だけは子どもらしい笑顔を取り戻し、未来への想像力を膨らませることができる。図書館や絵本は、単なる文字の学習を超えた「心の支援」として機能しています。
日本の私たちにできる「知る・伝える・参加する」アクション
ミャンマーでは今も厳しい状況が続いていますが、日本のメディアで報道される機会は決して多くありません。日本にいる私たちが彼らのためにできることは何でしょうか。
「まずは海外の私たちの支援現場の国のことを知っていただいて、それを1人でも多くの人にぜひ話していただける、伝えていただく、まずはそこかなって思います」
さらに、具体的なアクションとして「絵本を届ける運動」を挙げています。これは、日本の絵本に現地の言語の翻訳シールを貼り、子どもたちへ届けるボランティアプログラムです。
「ぜひミャンマーを身近に感じていただけるように、ぜひ伝えていただく。もし興味を持っていただけたら、我々ミャンマーの図書館活動で使用する絵本を『絵本を届ける運動』でやっておりまして、そちらのプログラム、ホームページからお申し込みいただけますので、ぜひご参加いただけたらと思います」
遠く離れた国の出来事を「自分ごと」として捉え、周囲に伝えること。そして、一冊の絵本づくりに参加すること。その小さな一歩が、国境を越えて子どもたちの未来を照らす光となります。
団体紹介:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)
SVAの活動の概要は、団体紹介の記事でご覧いただけます。
取材情報
取材:NGOネットワークジャパン編集部/取材イベント:グローバルフェスタJAPAN 2026(ブース番号27)/取材日:2026年10月17日・18日
