アフリカ・タンザニアの農村地域では、病院へのアクセスが困難で、必要な薬が手に入らないという深刻な社会課題が存在します。この問題に対し、日本古来の「置き薬」のシステムを活用して医療と健康教育を届けているのが、NPO法人AfriMedico(アフリメディコ)です。
グローバルフェスタJAPAN 2026の会場で、同団体の資金調達・広報チームを担当する前田麻貴さんに、設立10周年を迎えた活動の成果と現場のリアルな声、そして私たちが日本からできる支援についてお話を伺いました。
医療アクセスが遮断されるタンザニア農村部の現実
AfriMedicoが活動の中心としているのは、タンザニアの農村地域です。現地では医療アクセスが非常に悪く、必要な時に薬が届けられないという厳しい現状があります。
「雨季であれば道が陥没してしまい、医療機関まで2、3時間かかってしまうこともあります。一番近い薬局に行っても、薬の在庫がないという問題が起きています」
前田さんは、現地の過酷なインフラ事情をこう語ります。こうした環境下にある村々に「置き薬」を配置し、さらに医療教育や健康教育を並行して行うことで、住民の命と健康を守るのが同団体の主な活動です。
10年の歩みで見えてきた成果と直面する壁
AfriMedicoは、設立から10年の節目を迎えました。これまでの道のりについて、前田さんはこう振り返ります。
「寄付者や支援企業の皆様と、これだけの成果を届けることができたと分かち合えたことが最近の嬉しい出来事です」
また、現地へ直接渡航することで課題がより具体的に見え、今後の事業計画をしっかり立て直せる手応えも感じているといいます。
一方で、現場を動かしていく上での困難も少なくありません。日本と現地の遠隔でのコミュニケーションの難しさに加え、雨季には道が冠水して顧客への訪問自体ができなくなるという物理的な壁にも直面しています。さらに、今後より多くの村へ活動を拡大していくためには、資金だけでなく「人材」の不足が大きな課題となっています。
全員がプロボノ!日本から参加できる多様な支援の形
AfriMedicoの大きな特徴は、有償の職員がおらず、理事を含めたメンバー全員が本業を持ちながら「プロボノ(専門知識を活かしたボランティア)」として活動に参加している点です。
日本にいる私たちが協力できる具体的な方法として、前田さんは次の活動を挙げました。
・専門性を活かしたプロボノ参加:資金調達、広報、IT、財務といったバックオフィス業務での支援。<br>・研究活動への参加:「置き薬が本当に現地で有用なのか」を検証する研究活動のサポート。<br>・SNSでの情報拡散:団体のSNS発信をリポストし、より多くの人に活動を知らせること。
誰もが自分の得意分野やライフスタイルに合わせて、日本からアフリカの医療課題解決に直接関わることができる仕組みが整っています。
アフリカと日本をつなぎ、次なる国へ
置き薬事業の基盤がある程度構築できた今、AfriMedicoはタンザニアでの実績をもとに、他国展開を見据えた調査を開始する予定です。「アフリカと日本をつなぎ、健康と笑顔を届ける」というミッションの実現に向けて、彼らの挑戦は次のステージへと進もうとしています。
最後に、国際協力に関心を持つ日本の若い世代に向けて、前田さんから力強いメッセージをいただきました。
「まずはやってみる。ぜひチャレンジしてもらいたいなと思います」
少しでも関心を持った方は、まずはSNSでのフォローやシェアから、その第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
団体紹介:NPO法人AfriMedico(アフリメディコ)
AfriMedicoの活動の概要は、団体紹介の記事でご覧いただけます。
取材情報
取材:NGOネットワークジャパン編集部/取材イベント:グローバルフェスタJAPAN 2026(ブース番号10)/取材日:2026年10月17日・18日
