世界各地で紛争が絶えない中、「平和をつくること」そのものを目的に掲げて活動するNGOがあります。アフガニスタンとパキスタンを拠点に活動する「一般社団法人 平和村ユナイテッド(Peace Village United)」です。
2026年10月17日から18日にかけて開催された「グローバルフェスタJAPAN 2026」の会場で、NGOネットワークジャパン編集部は同団体代表理事の小野山亮さんにインタビューを実施しました。暴力や人権侵害が続く厳しい現地の状況と、そこで暮らす人々に寄り添う支援のあり方について、現場のリアルな声をお届けします。
積極的に「平和をつくる」ための挑戦
国際協力の形は多岐にわたりますが、平和村ユナイテッドは「平和をつくるということを目的そのものにしている」という明確なビジョンを持っています。小野山さんは、同団体の活動について次のように語ります。
「より積極的に平和を作る、紛争を止めるということを目的にしている」
彼らが主な活動地としているのは、アフガニスタンとパキスタンです。両国は長年にわたり紛争が続いており、現在も暴力や人権侵害といった深刻な社会課題を抱えています。一般的に「紛争地」と聞くと、私たちは遠い世界の出来事として捉えがちですが、そこには命の危険と隣り合わせの過酷な日常があります。平和村ユナイテッドは、そうした環境下で、根本的な平和構築に向けたアプローチを続けています。
アフガニスタンとパキスタンでの具体的な取り組み
現在、平和村ユナイテッドはそれぞれの国の事情に合わせた支援を展開しています。
アフガニスタンでは、政情の変化により女性の権利が脅かされる状況が続いています。そうした中でも、小野山さんによれば「女性の教育が制限されている中でも、教育を続けている」といいます。困難な状況下においても、現地の人々が教育の機会を失わないよう、粘り強いサポートが行われています。
一方、隣国パキスタンでは「青少年が平和を作っていく活動をサポートしている」と小野山さんは説明します。紛争や暴力の連鎖を断ち切るためには、次世代を担う若者たちが自ら平和の担い手となることが不可欠です。若者への支援を通じて、未来の平和を築く土台づくりが進められています。
これらの活動は今後も継続される予定であり、両国の厳しい状況が続く限り、団体の支援は歩みを止めることはありません。
紛争地ならではの困難と、安全を守り抜く責任
しかし、紛争地での活動には常に大きなリスクが伴います。インタビューの中で小野山さんが一番大変なこととして挙げたのは、安全管理の問題でした。
「紛争地の活動が多いので、安全管理面ですね。関係する皆さまやそこにいる人々の安全を守りながら活動する(ことが大変です)」
NGOのスタッフだけでなく、支援を受ける現地の人々や協力者の命を守ることは、活動を継続するための最重要課題です。平和構築の裏には、常に緊張感を持った安全への細心の配慮があります。
会場で出会った、アフガニスタン女性のアートと詩
ブースでは「アフガニスタン女性のアートと詩」と題した展示が行われていました。過酷な女性教育制限下で、ひそかに、しかし決意をもって学ぶ女性たちがいる。「地下学校」ともいわれる学校の生徒たちの作品が並んでいます。




日本の私たちにできること:「同じ人間として支え合う」
遠く離れた日本に住む私たちは、彼らの活動や現地の状況に対してどのように関わることができるのでしょうか。小野山さんは、具体的なアクションとして次の3点を挙げました。
・展示などを通して現地の状況を知ること<br>・見聞きしたことを発信してもらうこと<br>・活動を具体的に支えてもらうこと
「グローバルフェスタJAPAN 2026」の会場でも、現地の過酷な状況下で活動する人々の姿を展示し、日本の市民に直接届ける機会が設けられていました。小野山さん自身も、こうした展示を通じて現地の平和への取り組みを知ってもらえることに喜びを感じているといいます。
そして最後に、日本の人々へ向けたメッセージとして、小野山さんは次のように語りました。
「現地といっても日本と同じように人間が住み暮らしていらっしゃって、同じように苦しみ、泣き笑いして活動されています。同じ人間として、お互いに支え合うということをしていただければと思います」
「紛争地の人々」という特別なレッテルを貼るのではなく、私たちと同じように日々の喜怒哀楽を抱えて生きる同じ人間であるという視点。それこそが、国際協力を身近なものとし、本当の意味で「平和をつくる」第一歩になるはずです。
団体紹介:一般社団法人 平和村ユナイテッド(Peace Village United)
平和村ユナイテッドの活動の概要は、団体紹介の記事でご覧いただけます。
取材情報
取材:NGOネットワークジャパン編集部/取材イベント:グローバルフェスタJAPAN 2026(ブース番号46)/取材日:2026年10月17日・18日
