ウクライナでは、侵攻の影響で経済が低迷し、人口の国外流出や兵役への従事によって、農業を含む多くの産業で働き手が不足しています。男性が不在の世帯では女性が主な稼ぎ手になる例も増え、農場の経営や農業機械の操作を女性が担う場面も広がっているといいます。
これまで穀物輸出を担う大規模農業が中心でしたが、比較的小さな規模でも取り組め、付加価値を高めやすい園芸作物への関心が高まっています。ただ、調査では、家庭菜園の延長だけでは安定した収入になりにくく、営農や販売の知識が重要だと分かりました。
そこでこのプロジェクトは、女性、国内避難民、帰還兵士などを対象にした効果的な研修のため、課題の分析と対策の提案を行います。職業訓練校と連携し、園芸作物の栽培技術、農業ビジネスとマーケティングの基礎、トラクター運転を含む農業機械の基礎を学べる教材を開発し、広めるための提言も行います。
注目ポイント
- 女性や国内避難民、帰還兵士など、社会的に弱い立場の人々の経済的自立を後押しします
- 栽培技術に加え、ビジネスやマーケティング、農業機械操作まで学べる教材をつくります
- 2026年12月までに、女性農家が必要な知識と技術を学べる研修プログラムの完成を目指しています
なぜこのニュースに注目したいのか
支援というと物資や資金を思い浮かべがちですが、このプロジェクトは「学ぶ仕組み」を整えることで、人々が自分の力で収入を得る道を支えようとしています。
研修がパイロット校にとどまらず、ほかの職業訓練校や農業大学にも広がることを、中長期の目標としています。続いていく仕組みづくりという点が参考になります。

編集長のコメント
暮らしを立て直す力を育てる協力のかたちとして、とても大切な取り組みだと思います。
JICAのODA見える化サイトでは、ほかの国のプロジェクトも紹介されています。ぜひのぞいてみてください。