10月8日、パキスタン北部を突如襲ったM7.6の地震により、同国北部を中心に死者5万5千人以上、負傷者7万8千人とも言われる甚大な被害が出ています。(28日パキスタン政府発表)
AMDAでは、地震のあった翌日9日より、パキスタン国内のAMDAクエッタ事務所から、日本人調整員、現地人医師、現地人調整員を首都イスラマバードに派遣、さらにAMDAネパール・バングラデッシュ・インドネシアの各国支部、そしてAMDA本部より、医師・看護師・調整員を派遣し、地元の保健医療ニーズに対応しています。これまでAMDA各支部からの派遣者を合わせ10月31日現在20人の医療関係者・調整員が活動を実施しています。
■10月9日(日)〜13日(木)■
AMDAでは、地震の発生した翌日9日に、AMDAパキスタン・クエッタ事務所より、日本人調整員1人と現地医療スタッフ2人の先遣隊を派遣、翌10日より本格的な調査を開始しました。同国内の各行政機関などとの調整の結果、震源地周辺は山間部に位置するため、地震により道路が寸断されている地域が多いとの報告の中、比較的インフラへの被害が少なく、陸路でのアクセスが可能なマンセラを目指すこととしました。
当地では、AMDAの姉妹団体であるハムダード医科大学の支援チームが政府系救急病院(Government Emergency Relief Hospital)での診療活動を開始し、近郊の村落から運び込まれる重症患者への緊急手術などに対応していました。
一方、先遣隊であるクエッタ事務所チームは、地元行政への聞き取り調査の結果、マンセラより東に20Kmほどに位置する無医村バラーコット(Brarkot)での医療支援の打診を受けました。バラーコットは人口4,000人ほどの小さな町で、水道、電気、電話などのインフラは機能しておらず、さらに同地区には女性医療職が不足していたことから、この地域を活動地域として決定。女性専門の診療室を設けるなど、医療支援活動準備を開始しました。
またAMDAでは、先遣隊の調査と平行して、AMDA多国籍医師団(AMDA Multi National Medical Mission)の派遣を決定、AMDA本部、ネパール支部、バングラデッシュ支部、インドネシア支部からの医師派遣準備を開始、10日には本部から調整員が、12日にはネパール支部の医師2人が現地で合流し、支援体制を確立しました。
AMDAパキスタン支部は独自に、支部長であるバカイ医科大学F.U.バカイ総長が医療チームを派遣し、ムザファラバードで医療活動を行っています。
■10月14日(金)〜10月31日(月)■
AMDAでは、医療支援地と決定したバラーコットにて、14日より仮設診療所を設置し、本格的な医療活動を開始しました。同地はイスラム教国であることから、女性が男性に肌を見せることはタブー視されているため、女性には女性医師による診察が必要不可欠でした。クエッタ事務所から派遣のザルダナ医師が女性患者への対応を、そしてネパール支部の男性医師が男性患者を診療することとしました。その後日本から女性医師1人を追加派遣し、不足している女性への医療支援体制を強化しました。
また、マンセラの政府系救急病院では、次々と運び込まれる救急患者への対応におわれ、外科系専門医が不足しているとのことから、パキスタンの第一言語であるウルドゥ語での対応が出来るAMDAネパール支部の医師2人をローテーションで派遣し、緊急手術など病院へのサポートも同時に開始しました。
その後、AMDAバングラデッシュ支部、インドネシア支部からの医師が合流し、仮設診療所での診察と政府系救急病院2箇所での診療活動を展開しています。
バラーコットの仮設診療所では、外傷・打撲等の外科的疾患から、日増しに、呼吸器系疾患やストレスによる消化器系疾患が多く見られるようになりました。
■11月1日現在■
AMDAは活動期間を延長し、バラーコットとマンセラの2箇所で診療活動を継続しています。バラーコットの仮設診療所では、日本やクエッタ事務所から女性の医療スタッフ(医師1名、看護師2名)が加わり、また現地のNGOからも2名の女性スタッフが紹介され、女性専門の診療は充実してきました。
AMDAでは診療にとどまらず、病気予防の知識を得ることで、自ら身を守ってもらおうと、保健衛生教育も行っています。
一方、マンセラの政府系救急病院では、AMDA多国籍医師団メンバーより、パキスタンの第一言語ウルドゥ語での対応が出来るAMDAネパール支部の医師中心に派遣し、周辺村落から運び込まれる重傷患者への緊急手術などを行っています。
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