死刑と日常
──闇の声あるいは想像の射程について
・すべての殺された者たちの魂を心から悼まなくてはならない。「国家」によ って殺された者たちの魂をも、ひとしく心から悼まなければならない。なにげ ない日々の泡にかくされた、相次ぐ「国家の殺人」を、いますぐにやめさせな くてはならない。
なにより、私たちの〈暗黙の了解〉と〈暗黙の委託〉を、たったいまやめなければならない。遠い闇の声に、じっと耳を澄まさなければならない。──辺見庸
辺見庸(へんみ・よう)
作家。1944年、宮城県生まれ。共同通信を経て作家に。
91年、「自動起床装置」で第105回芥川賞受賞。主な著作に「ハノイ挽歌」
「赤い橋の下のぬるい水」「不安の世紀から」「もの食う人びと」「永遠の不
服従のために」「いま、抗暴のときに」「自分自身への審問」「たんば色の覚
書─私たちの日常」など。
チェロ演奏・海野幹雄